【職種研究】医薬品業界の職種とは?業務内容や向いている人について解説

企業研究
2022.11.03
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投稿したユーザー : motegi

今回の記事では、「医薬品業界」の職種について解説していきます。

具体的な業務内容や年収など気になるポイントをまとめましたので、職種研究を進めている方はぜひ参考にしてください。

医薬品開発のプロセス

医薬品の開発には、「基礎研究」「非臨床試験」「臨床試験」「承認申請審査」の4つのプロセスがあり、全ての期間を合わせると新薬の開発にかかる期間は10年以上です。

まずは新薬の元となる物質を探し出し、その物質の薬効・毒性を動物や細胞を使った試験で確認します。

その後、人に使用して薬効と安全性を確認できたら、厚生労働省に申請します。この申請が承認されると、初めて医薬品の製造販売が可能になります。

製薬業界と医薬品業界の違いとは?

製薬業界とは主に薬の開発や販売を事業としている業界を指します。一方、医薬品業界は医薬品メーカーを指すことが多く、医療用薬品と一般用薬品に分かれて販売等をしています。

呼ばれ方が違うものの、ほぼ同じ業界と考えてよいでしょう。

医薬品業界の職種と業務内容

医薬品業界には、「製薬メーカー」「専門機関」「医療機関」「調剤薬局」といった就職先がありますが、医薬品に関わる仕事内容は非常に多岐にわたります。

具体的にどんな業務を行う職種があるのか、みていきましょう。

薬剤師

薬剤師は、医薬品に関する専門知識を持ったスペシャリストです。

薬局や医療機関において処方箋に基づく調剤を行ったり、患者さんへの服薬指導、薬歴管理を行ったりします。

さらには医療用医薬品や一般用医薬品の販売・管理、患者さんの相談相手のほか、医師の処方意図を確認することで患者さんに的確な薬を処方するための最終確認をする重要な役割も担っています。

薬剤師は、国家資格が必要な職業です。

試験を受けるためには、大学の薬学部で6年間の薬剤師養成課程を修了する必要があります。

試験に合格したあとは、申請を行うことで厚生労働省の薬剤師名簿に登録され、薬剤師免許が与えられます。

登録販売者

登録販売者は、市販薬と呼ばれる一般用医薬品(第2類、第3類)を販売する専門家です。

患者さんにヒアリングを行い、症状や使用目的などから適切な薬を案内します。アレルギーや体質の問題で薬が合わない患者さんもいるため、専門的な薬の知識が必要な職業です。

登録販売者になるためには、専門資格が必要です。

試験には実務経験や受講必須科目、年齢制限などがないため、誰にでも目指しやすい資格と言えるでしょう。

試験の受験者数は年々増加しており、社会的ニーズからさらに受験者が増えることが予想されています。

MR(医薬情報担当者)

MRは、製薬会社の営業販売者です。

製薬会社に勤務し医薬品を扱うMRと、MRを派遣する企業に所属して複数の製薬会社の医薬品を扱うコントラクトMRに分けられます。

どちらも医薬品ではなく医薬品の情報を扱うのが特徴です。医師や薬剤師などの医療関係者へ医薬品の情報を提供することで、自社の医薬品の有用性を理解してもらい採択を増やすことを目的としています。

医薬品は命に関わる重要なものであるため、有効性だけでなく安全性や副作用情報など多岐にわたる情報を適切に提供することが求められます。

MRになるために必須の資格はありませんが、医療関係者との信頼関係構築のため、入社後は多くのMRが「MR認定試験」を受験します。

MSL(メディカルサイエンスリエゾン)

MSLは、医療従事者に対して最新の治療法に関する情報提供を行う職業です。

MRとの違いは、自社製品の販売促進が目的ではないということです。製薬会社と臨床現場との中立な立場から、より幅広い科学的・客観的な情報を医師へ提供します。

医学・製品情報を収集・精査し、医学・薬学・科学的観点から医師へアプローチすることで、信頼関係を構築することが仕事です。

その結果として、自社製品や自社の価値を高める役割を担っているとも言えるでしょう。

生産技術

生産技術は、製薬メーカーにおいて安全性や効率性を重視した製造工程・品質保証体制を構築する職業です。

医薬品の高い安全性と品質を維持しながら効率的な生産の仕組みを構築するために、生産に関わる一連の流れを把握します。

具体的には、生産計画・生産ライン管理・品質検査・包装などさまざまな業務を行います。

品質管理

品質管理は、販売前の医薬品が品質基準を満たしているかを検査・管理する職業です。

医薬品は命に関わる製品であるため、どこで製造された医薬品であっても必ず同じ品質であることが求められます。

また品質試験で得られたデータから考察し、製造現場にフィードバックを行うことで不良品の発生を未然に防ぐことも、品質の保持において非常に重要な業務です。

他にも、薬剤の安全性を保障する試験自体の信頼性を確保するため、試験器具の管理や作業手順の検討・改善業務なども行います。

研究開発

研究開発は、新薬開発のための化学研究や生物研究といった「基礎研究」と、動物や人に投与して行う「臨床試験」を行う職業です。

安全性と有効性が確認できた新薬は、医薬品医療機器総合機構へ申請を行い、認められると製造販売が可能になります。

新薬を心待ちにしている患者さんのニーズを満たす医薬品を開発できる、非常にやりがいのある職業です。

CRA(臨床開発モニター)

CRAは、医療機関における新薬の臨床試験が適切に行われているかを監視する職業です。

開発中の薬を被験者に投薬する現場で、症例データの収集や進捗管理を行います。CRAが集めたデータは、薬の有効性や安全性の証明に使われます。

CRAは製薬メーカーと医療現場の橋渡しをする重要なポジションと言えるでしょう。

CRC(治験コーディネーター)

CRCは、医療機関において担当医師の指示のもとで治験に関わる事務的業務を行う職業です。

治験業務フローの作成や被験者対応、治験関連部門との連絡・調整などを行います。

製薬会社の開発職になるには?

製薬会社の開発職を目指す人も多いですが、誰でも目指せる職種ではなく狭き門となります。6年制の薬学分を卒業した理系の人達が目指すことが多く、採用されるために学歴は最低条件となるでしょう。

また、学歴だけあれば良いのではなく、これまでの経験値を求められる職でもあります。開発職のメイン業務は、薬品として効果が確認された成分の臨床検査(治験)を行う部門です。 「治験の計画作成」「治験の観察」「カルテや検査データ収集」「厚生労働省へデータの提出」など、専門的知識や業界理解度が必要で、経験による格差が生まれやすいためある程度の経験値がなければ難しいでしょう。

開発職を目指したい人は、CROからのスタートを視野に入れ、段階的に開発職を目指すのが得策です。

医薬品業界の今後と課題、厳しい点

平均年収よりも高い?

医薬品業界の平均年収は「737万円」前後で、日本の平均年収「460万円」よりもかなり高い傾向です。

経験年数や勤務先、学歴などによっても幅はありますが、職種別の参考平均年収は以下の通りです。

薬剤師「560万円」前後、登録販売者「300万円」前後、MR「700万円」前後、MSL「700万円」前後、生産技術「450万円」前後、品質管理「450万円」前後、研究開発「580万円」前後、CRA「550万円」前後、CRC「430万円」前後。

同じ医薬品業界でも、職種によって年収に幅があることがわかります。

将来性は見込める?

医薬品の開発には非常に長い期間とリスクを伴いますが、「ICT」や「AI技術」の導入で大幅な開発機関の短縮が可能になりつつあります。

また高齢化社会の進行を考慮しても、医薬品業界のニーズ・役割はますます大きくなることが予測できるでしょう。

課題と厳しい点

医薬品業界の厳しい点は、「就職・転職の難易度」「常にアップデートが必要」な点でしょう。

専門性が求められる医薬品業界は、就職・転職においてスキルや経験値の高さが最も評価されます。他業界であれば、人間性も重視された上で判断されますが、医薬品業界では必要な知識・関連した経験がなければ採用を勝ち取れないのが現状です。

また、就職後に関しても厳しい道のりは続きます。特に、薬事法は毎年改定されるため、常に新しい情報と知識をアップデートしなければ業務として成り立たないといえるでしょう。

医薬品業界に向いている人の特徴

責任感を持ち集中力を発揮できる几帳面な人

医薬品業界の仕事は命に関わる重要なものであるため、ミスは許されません。

集中力を維持して業務に取り組むことはもちろん、ミスを防ぐ几帳面さが求められます。

常に責任感を持って仕事ができる人が向いていると言えるでしょう。

コミュニケーション力のある人

医薬品業界では、どの職種においても他者とのコミュニケーション力が求められます。

研究者や医師といった関係者との良好な関係性構築はもちろん、患者さんにわかりやすく説明するコミュニケーション力も必要です。

計画力・管理力・行動力のある人

医薬品開発のプロセスには、それぞれの職種の計画力・管理力・行動力が欠かせません。

新薬開発のための計画や管理はもちろん、それを販売するための情報収集や情報提供といった行動力も必要とされます。

まとめ

医薬品業界のニーズは今後もさらに拡大していくことが予測されています。

人の命に関わるとても重要な役割を担う業界ですので、責任感を持って人のために頑張ることに喜びを感じられる人にとっては、非常にやりがいのある業界です。

職種によって業務内容が多岐にわたりますので、気になる職種を見つけた人はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう。

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