投稿したユーザー : takasaki
「生涯収入が高い職業は?」
「平均的な数値ってどれくらいなんだろう?」
と就活の方向性を決めるうえで気になっている人も多いのではないでしょうか。
生涯収入とは、一生涯のうちで働いて手にするお金の総額を指します。
この生涯収入は学歴にも左右されますが、どんなに高学歴の人であっても選択する職種によってもらえる相場は決まってしまいます。
理想とする職種を探す今だからこそ、生涯収入について詳しく知っておいた方がよいでしょう。
この記事では、生涯収入の推移や職業別の年収などを詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
サラリーマンの一般的な生涯収入は、2022年度の統計によると「2億6000万円」が一つの水準となっています。
これは大学卒の男性で、学校卒業後にフルタイム正社員を60歳まで続けたときの、およそ42年間で計算したときの推計値です。
労働者が新卒から60歳までに手にする賃金の総額なので、ここにはボーナスや残業代、退職金も含まれています。
ライフイベントは各個人で変わり、働き方も多様化していますが、統計としては学歴や性別で生涯収入が変わっていきます。
生涯年収とは、一生涯のうちに得られる賃金のことであると説明しました。
直近の数値から見ると、生涯収入の平均値として挙げられるのは大卒男性で2億6000万円です。
一般的に、男性よりも女性の方が生涯年収は低い傾向にあります。
理由としては、女性には妊娠・出産というライフイベントで休業するケースが多く、男性よりも生涯年収が低い傾向にあります。
出産後に再就職したとしても、契約社員やパートなどの雇用形態で働く人が多く、正社員雇用で働き続けた生涯年収と比較すれば大きく減少します。
以下の表は、学歴別・男女別の生涯年収の中央値を示しています。
学歴 | 全体 | 男性 | 女性 |
大卒 | 2億3500万円 | 2億6000万円 | 2億1000万円 |
短大・専門 | 1億9000万円 | 2億1000万円 | 1億7000万円 |
高卒 | 1億8000万円 | 2億1000万円 | 1億5000万円 |
参考:21 生涯賃金など生涯に関する指標|ユースフル労働統計 2022
学歴別にみれば、男性も女性も「大学卒」の平均生涯年収が最も高い傾向です。
男女別では、男性と女性の間にはどの学歴であっても5000〜6000万円の差があります。
ライフイベントによる影響が大きく、生涯収入でみれば男女で大きな差がでやすいといえます。
「2億円6000万円」と聞いてしまうと、大金を手にするような感覚です。
しかし年収で考え、税金などで引かれる金額を考慮すると現実は厳しいといえます。
生涯収入を2億円6000万円と仮定すると、年収はおよそ約620万円程度となります。(大学卒業後22歳で60歳まで勤めたとして42年勤続としたとき)
ここから住民税や所得税、社会保険料が差し引かれ、手取りは約495万円程度です。
さらに家賃や水光熱費、通信費等の生活費をざっくりと約26万円と仮定した場合、年間で約312万円は支出として消えます。
生活費以外にも教育費や老後の貯蓄なども考えると、手元に残るお金は少ないでしょう。
したがって、「生涯収入2億円」あったとしても決して裕福とは言いづらい環境といえます。
先ほど、「生涯収入2億円でも裕福とはいえない」とお伝えしました。
しかし、日本の経済は停滞気味になるため、そもそも生涯収入2億円の数字自体もハードルが高い状況になっています。
今の日本における中央値である生涯収入2億円を目指すには、必然的に日本の給与体系の平均値以上の企業や職業に就く必要があります。
また、就職活動における企業選びが非常に重要となります。
この点について、後ほど詳しく解説していきます。
「生涯年収」の推移についてご説明しておきます。
日本の景気によっても年収は変化するため、今後のライフプランを立てる上での基準に考えておくと良いでしょう。
男性 | 2000年 | 2005年 | 2010年 | 2015年 | 2020年 |
高校卒 | 2億1910万円 | 2億0580万円 | 1億9520万円 | 1億9760万円 | 2億1000万円 |
大学卒 | 2億7900万円 | 2億7010万円 | 2億5410万円 | 2億6220万円 | 2億6000万円 |
女性 | 2000年 | 2005年 | 2010年 | 2015年 | 2020年 |
高校卒 | 1億4410万円 | 1億2650万円 | 1億2620万円 | 1億3080万円 | 1億5000万円 |
大学卒 | 2億2910万円 | 2億1010万円 | 1億9800万円 | 1億9890万円 | 2億1000万円 |
参考:21 生涯賃金など生涯に関する指標|ユースフル労働統計 2022
大卒男性の生涯収入は、2010年から2015年までの5年間では増加していますが、全体的に見ると減少していることがわかります。
一方女性の生涯年収は、大卒の女性は増減を繰り返しつつも増加しており、高卒の女性は徐々に増加しています。
全体的な推移から推察すると、生涯収入の均一化を目指しているような印象ですね。
生涯収入の金額の基準として学歴が挙げられますが、就職する企業によっても相場は決まることが多く、学歴よりも職業を重視した方が、生涯年収を高くすることができます。
以下、生涯収入が高い職業のランキングを一覧にしました。
第1位 | 鉱業(2億8000万円) |
第2位 | 電気・ガス・熱供給・水道業(2億3000万円) |
第3位 | 情報通信業(2億1000万円) |
第4位 | 製造業(2億円 |
第5位 | 建設業(1億9000万円) |
※厚生労働省の賃金構造基本統計調査を元に、一般的な労働期間である22歳から60歳までの平均的な昇給率・ボーナス率をもとに作成
インフラ関連の職種や技術力が求められるエンジニアなどの業界は、生活を支える基盤であり、なくてはならない存在の職業です。
そのため、需要も高く生涯年収が2億円を超えているものがほとんどです。
また、今後も安定的に需要があるので、大きな変動はないでしょう。
就職活動においては、「利益を得ている業界」「需要のある業界」に注目しておくことも、生涯収入を高くするためにおすすめです。
東洋経済オンラインによると、生涯収入の最低値は9,261万円でした。(上場企業3218社中)
平均生涯年収の2億2613万円と比較すると1億3325万円下回り、既に半分以下となっています。
ワーストランクインしている企業の傾向としては飲食系や小売系などサービス業が多い状況です。
給料は、年齢や勤続年数、役職などによって左右されるため、高い給与水準の業界だとしても企業の中で見ると一部の限られた人にだけ高収入が当てはまる可能性があります。
そのため、企業ごとの年齢に応じた給料モデルなどを参考にしたり、実際の勤務者のリアルな声を参考にして生涯年収を意識した企業選びが重要となります。
生涯年収について男女別・学歴別に比較し解説してきました。
高年収を目指す上で重要なことは、個人の能力だけでなく、所属する企業によって収入は大きく左右されるということです。
また、女性の生涯年収については、出産などのライフイベントを見据えて就職先の給与や待遇を考える必要があります。
就職活動において選択する企業・業界で生涯年収は大きく変動するので、自分の人生設計に合わせて、慎重に検討してみてください。